2017年12月16日土曜日

影響を受けた書籍 Part IIと「いざ・波」新規組み入れ銘柄

 世の中では、あらゆる場所で「非常に些細だけれど、関係者にとっては決定的な問題」がしょっちゅう起こっています。そして、それを責任を持って処理している人が、どこかに存在しているのです。
 それなら、大雑把な「テーマ」ではなく、現場レベルで問題を処理し、付加価値を生んでいる企業にこそ、注目すべきではないかと思うのです。

苦瓜達郎『ずば抜けた結果の投資のプロだけが気づいていること』幻冬舎新書

じつは『影響を受けた書籍 Part II』と題して、片山晃氏・小松原周氏の『勝つ投資 負けない投資』(クロスメディア・パブリッシング)を取り上げる構想があったのですが、すっかりさぼっています。

で、今回述べる苦瓜氏の本は、ろくすけさんによるブログ、『ろくすけの長期投資の旅』で取り上げられていたので手に取ってみました。

苦瓜氏は大和住銀投信投資顧問のシニア・ファンドマネージャーで「ニッポン中小型株ファンド」や「大和住銀日本小型ファンド」を運用されてます。2012年から17年の6年連続でR&Iファンド大賞の国内中小型株式部門の「最優秀ファンド大賞」「優秀ファンド賞」を受賞されているそうです。凄腕ファンドマネージャーですね。

当人の写真を見た限りでは、吉本興業で漫才しながら「なんでやねん」とか言ってそうな感じですが。

この本でとくに興味深く読んだのは第五章の「苦瓜式」銘柄・情報整理術です。年間900回以上、上場企業と面談を行っている氏の情報整理術とは・・・

ルーズリーフに手書き・・・なんだそうです。

地道ですな。

期ごとの数字(売上高や営業利益、販管費等々)を時系列で書き出し、“その期の特徴的な数字に結び付く事柄については、数字のすぐそばにメモをするのが大原則”なんだそうです。

さらには、増益要因と減益要因は必ず書いておくとのこと。なるほどね、今後の参考にしたいと思います。

あと印象に残った箇所は、

わからないことだらけのなかで、リスクのあるところにお金を投入するのですから、ある種の「あきらめ」を最初にもっておくべき

という言葉ですね。名うてのプロがそう言うのだから、私のような素人が投資をするにあたり、ことさらしっかりと持つべき心構えだと思います。

それで一番興味深く読んだのが、このブログ記事の冒頭で抜粋した箇所です。これは最近読んだ成毛眞氏の『理系脳で考える』(朝日新書)で書かれていた、

 そして得てして、世界を変えようと鼻息の荒い人よりも、目の前の課題をクリアしようとしている人の方が、あっさりと世界をかえる。

というところと同じことですね。鼻息を荒くするのは居酒屋で気の置けない仲間と盛り上がるときだけにして、今後の銘柄選択にあたっては、このあたりも強く意識すべきかと思います。

***

さて、『ずば抜けた結果の投資のプロだけが気づいていること』では、この他にも個人投資家への四季報の読み方アドバイスや中小企業への考察等々が書かれてあるのですが、さらにはいくつかの「おもしろい」銘柄も紹介されています。

そのうちのひとつ、サンセイランディック(3277)に猛烈に惹かれました。さっそく同社の有価証券に目を通し、さらに・・・いやー、いいですね、「底地」。なんというか、この渋さ、ツボにハマった。

日本の人口動態を見るにつけ、この手の面倒くさい事例はこれからどんどん顕在化してくることでしょう。だれかが丁寧に現実的に解決するしかありません。3277はそこに手間暇かけてサービスを提供しています。

そして市場のパイ自体、というか底地のネタ自体の規模は限られており、なおかつその面倒くささは競合他社の参入意欲を削ぐものと思われます。

わが『いざ・波』ファンドのコンセプト(参考記事『ポートフォリオの命名 -いざ・波ー』)にピタリとはまる銘柄ではありませんか。

さっそく200株購入しました。これはもう長期保有前提でオクトパスホールド(別称卍固め)です。少々のことでは放しません。機会があれば追加していきたいですね。

なんにせよ、へそ曲がりな私が本を読んで株式を即購入というのは珍しいです。今後は苦瓜氏の運用するファンドの報告書にも目を通していきたいと思います。


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